■ FGメカニクス ■
マシン設計&制御テクノロジー&世界観
……に関する作者の覚え書き



●この資料集は執筆に際して作者が参照するための「覚え書き」です。

最終更新: 2003.08.18



● PCS(Posture Control by Swaying…揺らぎによる姿勢制御)

 二足で直立するFGでは、基本姿勢制御にPCSが用いられる。
 FGはPCSがなければ一瞬たりとも安定して立っていられない。

 PCSの概念を解りやすく説明すると“手のひらに立たせた長棒”にたとえられる。棒を安定して立たせておくためには、絶えず棒がバランスを崩した方向へ手を移動させることが必要である。この連続した“ゆらぎ”の動作を司るのがPCSとなる。

 FGマシンの場合は手のひら上の棒とは異なり、関節をもち複雑に可動する立体である。可動により立体全体の重心も変化するため、PCSは実際には上記のたとえでは説明しきれないほど複雑な制御を行なっている。

 しかしながら、この制御は機体各所から送られてくる事細かな位置情報(傾斜センサや、モーターの動作状況といったもの)を基に決定されているわけではない。なぜなら、FGマシンの大きな特徴として「配線の省略」が挙げられるからだ。それはエネルギーを伝達するためのものばかりか、各部の状況をフィードバックするセンサの数をも極端に少ないものとする。

 マシンの次の瞬間の行動の決定については、まさに“手のひらの棒”ほどの単純な状態把握によると思ってもらえばよい。「現在、どのような姿勢であるか」よりも「どのようにバランスを崩しかけているか」のみを監視していると言えば解りやすいか。

 各パーツへの動作の指示は実際に数値情報を出さねばならず、このパートについてはかなり複雑怪奇、またPCSの最重要要素といえる部分である。
 このパートを特にACS(Adapting Control System)──適応制御システム(後述)という。

 FGマシンのほとんどの可動部はジェネレータからの制御信号+エネルギー波を直接受け取って動作する。その構造と動作原理は人間における筋肉+神経系のそれとはまったく異なるものである。




 ではまずPCS全体の機能について解説する。

 概念的に説明すると、PCSは手足を含めたマシンの構成要素(関節によって分割される単位)をすべて重心制御に利用している。PCSにとっては要するに手足、という把握ではなく、すべてが重心決定のための要素にすぎない。そのためウィングや装甲板といった付加構造物ですらその一部になりうる。

 さらにFGの姿勢制御を理解するために重要なのは、関節についての理解である。
 PCSは姿勢制御を関節中心では考えない。かならず、すべてのパーツをおのおの要求する位置にもっていこうとする、そのために関節を動かすだけである。

 そのためFGの各関節の可動範囲はさほど大きくない。脚の関節などはほとんど“揺らぐだけ”に等しい。それでもFGはバランスを損なうことなく立ち続けることができる。
 PCSの優れたところは、その制御法がもたらす負荷の少なさにある。関節に大きなエネルギーと負担をかけずに姿勢制御を行なうことができるのだ。
 FGに実装されているPCSは、かならずしも人間が一般的に行なっている動作をもとに構築されたものではない。より合理的、かつ効率的なものといえる(しかしながら、PCS的な身体の制御を人間が行なうことは不可能ではない)。

 合理的であるがゆえにFGマシンは、人間には一種理解しがたい挙動を示すことがある。特に最高峰のSFGのマシンのPCSは特殊かつ強力で、下位カテゴリから来たドライバーの中にはうまく扱えない者もいるほどだ。

 ここで誤解してはならないのは、たとえば腕であれば1つのパーツが中心となり、それに付随するパーツが連動して動くのではないということである。すべてのパーツが同時に次の移動点へ動こうとする。その積み重ねでFGの姿勢制御は実現しているのである。
 手のひら上の棒でたとえるならば、棒が倒れ始めてから手を動かし、それに従って棒の上部が手のひらの上に移動し安定するのではなく、それらの動きは同時であり、連続的であり、かつ継続的になされる。
 仮にPCSに手のひらの制御を行なわせた場合、端から見ると棒は手のひらの上で静止しているように見えるだろう。それくらいPCSの能力は優れているのだ。

 したがってPCS動作時のFGは、“PCS(揺らぎによる姿勢制御)”と名がついているように、ゆらゆら揺れながら立っているというわけでは決してない。
 またPCSは先を予想する機能は持っていない。あくまでもその瞬間において最適な姿勢制御の指示を出し続けているだけである。




 次に、PCSの動作をキャンセルさせることになる「ドライバーの操作」について述べる。

 全身のあらゆるパーツを使って姿勢を安定させようとしているPCSにとって、ドライバーの操作というのは、それに真っ向から抗うものである。

 たとえば腕の関節がなんらかの原因で故障した場合、PCSはその腕そのものを姿勢制御のためには使うことができない。しかしその他の部位だけで安定をはかることは難しくない。仮に片腕が動作不能に陥ったところで、全身のパーツでバランスをとるPCSにとってはさしたる問題とはなりえないからだ。
 PCSはマシンのバランスを、“棒”あるいは“重心点をもとに決定した身体の基準の1点”といった単純な概念で把握するが、実際の安定制御は身体の各部位を分割するという概念を用いて行なっている。
 このとき、分割された各部位から見ると、他が動く動かないにかかわらず、自らがどの位置に移動すればいいかということだけが問題となる。よって故障などにも強く、センサの計測誤差などとも無縁である。

 しかしながら操縦者の意図によりたとえば腕部に任意の動き(照準など)をさせている場合など、身体(またはその一部)をあらぬ方向へ持って行かれるため、より不安定な想定外の状態へと強引に変化させられてしまうことになる。これはFGの安定にとっては、想像よりもはるかに危険な状態であるといえる。

 それでも、PCSは休まずに次の行動を選択し続ける。
 連続的にそれを行なうことで、「安定を取り戻そうとし続ける」状態を作ることができるからである。原理的には、障害物がない場合は、たとえホイールが空転(スピン)する路面状態であろうと、PCSは不安定な自身の姿勢を連続的に安定状態へと導くことができる。それゆえ、「転倒」はあり得ない。
 二足走行式のロボットであるFGにとってほとんど競技など不可能と思われる荒天下でも、PCSのおかげでドライバーは現実的にFGを操ることができるのだ。

 ドライバーの操作が続いている間は、姿勢安定的に危険な状態であることは一瞬たりとも変わらない。ただし、同時に「安定し続けようと」しているという側面もあるために、過激な動作もある程度は許容できるのである。

 ただし実際の競技中ではしばしば転倒という事態を見かける。
 これはPCSがとり続けている姿勢制御の動作を上回る外的入力(ドライバーの過剰な操作、障害物などの物理的な実行阻害要素など)が連続的になされ、ある力学的な臨界点を超えたときに発生する。
 雨天下などではそうした現象は当たり前だが起こりやすい。前述のようにPCSは時としてドライバーの予想できない動作を行なうことがあり、スリップしやすい路面状況では、それが突発的に発生することがある。
 その際、姿勢制御をしようとするPCSの挙動に対してドライバーが意図せずにそれに抗する、もしくは助長するように過剰な入力をしてしまうと、最悪の場合は転倒してしまうことになる。

 また故障によっても「力学的な臨界点」は低まるため、転倒などは起こりやすくなる。
 極端な例でいうと、全身の関節を固定され、肩だけが動かせる状態では、腕を振り回すことでバランスをとり続けなければならないが、PCSのバランサーとしての機能は人間よりもはるかに優秀なため、ほとんどその腕すら動かさずにバランスをとることができる。しかしこれに「前傾させる」という外的入力が加え続けられれば、転倒はまぬがれないであろう。

 それでも最高峰のSFGマシンになると、他のカテゴリや市販ギアなどとは比較にならないほど臨界点が高いところにある。なぜならパーツの重量は極限まで削り込まれ、関節のトルクや反応速度も桁違いであるからだ。そのためSFGマシンは、動作特性そのものが他とまったく異なる。




● ACS(Adapting Control System…適応制御システム)

 PCSの概念自体はFGマシン固有のものではなく、この世界の自律・他律を問わないロボットのほとんどすべてに類似のシステムが搭載されている。しかしPCSのもつこうした基本性質を実現するACSというパートについては、ほとんどFGマシンのオリジナルであり、さらにいえば各チームやマシンによっても異なっている。
 PCSが司るバランサーとしての動作そのものは、ACS(適応制御システム)の指令によって実現している。具体的な数値を算出し、マシン各部位に送る役割を担うACSの設計は、マシンの設計者がもっとも苦慮する部分である。

 ACSのプログラムがおもに行なっているのは、現在のマシンのバランスの状態をもとに、最適行動を決定することである。
 決定に要する要素は、マシンの現在の状態、ドライバーの操作のふたつである。
 本来であれば、ドライバーがどのような操作をしようともマシンの状態さえ見ていればPCSは機能する。つまり、PCSにとって最適解は常に1つである。しかし、それでは競技に勝つのが至上のFGマシンには不充分である。よって設計者は、最適解の求め方の指針をACSに与える際、たとえばドライバーの意図を汲むような動作になるよう調整するのである。

 ドライバー側からすれば、無調整のACSでは、強固なバランサーシステムであるPCSが自分の操縦に対して常に干渉(≒抵抗)を続けているように感じられる。しかし最適化されたACSでは、あたかも干渉の度合いを自動調整しているように見えるのである。

 このように、各ドライバーに適した状態にPCSを微調整することで、FGマシンはより戦闘力を増すのである。




 こうしたPCSの特性に早く馴染めるドライバーは、優秀である。
 また、そうしたドライバーはPCSの機能を逆手にとった操作をし、より高度な操縦を行なうことがある。
 前述のように、PCSの動作制御は単純に自らの安定のみを目的としたもので、ドライバーの望む行動に対しては必ずしも有効ではない。しかしPCSをうまく利用する方法はある。
 PCSの姿勢制御動作に逆らわず、逆にそれを次の動作へ結びつけて、わざと能動的に動かしてやることで、さらに効率的にマシンを機動させることが可能である。
 ただし、これは誰にでもできるというものではない。




 以下は余談である。

 ワールドチャンピオンクラスのドライバーは、意識的にしろ無意識的にしろ、そうした操縦を少なからず行なっている。

 キャラ・ブラウニーの操縦は、しばしば観客から“優雅”と評されるが、これはPCSの本質から外れる「流れるような動作」をうまくその性質に合致させる形で取り入れているからである。
 彼女の操縦はおもに意図的に重心を移動させ、移動した重心に対してとられるPCSの姿勢制御を利用して、次の動作へ効率的につなごうとするスタイルである。
 彼女自身が“優雅”であるかどうかは関係なく、観客から見ればそのマシンの動きは線でつないだように美しく見えるわけである。

 また当代随一のドライバーといわれるフィリップ・レンツは、ほとんど“人間PCS”ともいうべき操縦能力をもっている。彼はPCSがなくてもマシンを転倒させずに維持できるのではないかというくらい反応速度がはやく、かつ理にかなった動きをさせることができる。
 ほかのマシンとその操縦者に比べると、たとえ同じコンディションのマシンを操っていても、全体的にきびきびとして、無駄がない。方向転換も、スムーズというよりはクイックである。

 もちろん競技においての強さは操縦技能だけによるものではないが、少なくともこの方面の素養に関しては、現時点ではこのふたりが最高峰といえるだろう。

 主人公のフェリスの操縦方法であるが、彼女は前述のPCSの姿勢制御動作を外的要因が上回るか上回らないかの、ギリギリのあたりの操作を好んで行なう。
 フィリップ・レンツのような超人的な技能まではないにせよ、PCSの姿勢制御限界を超えそうな高速バトルは、他に対して大きなアドバンテージを生む。自身の転倒の危険も少なからずあるが、相手にしてみれば照準がつけにくいばかりでなく、追尾のために無理な機動を誘われるため、不安定になりやすいのだ。



● マシン構造


 脚部は姿勢を制御するための剛性と柔軟さを動的に確保するため、油圧シリンダ、磁力サスペンション、トーションバーなどの組み合わせで骨格を構成する。FGの脚部は、いわゆるロボットの関節といった概念からはほど遠い構造になっている。むしろ人間の骨と筋肉の両方の性質を備える部品で構成された、内骨格型である。




 射的能力が重要なFGでは腕部の動作制御に特別な注意が払われている。
 基本的に標的は腕部全体を使って照準するが、走行時の振動による照準のブレは、高度な技術を用いた複合(構造自体はそれほど複雑ではないが)手首関節を使って打ち消す(腕全体で吸収することも可能だが、独立していた方がPCSとの兼ね合い上、有利)。
 腕部関節でもっとも先進の技術が用いられているのは手首部分である。後述するが、照準の自動追尾機能の搭載は認められないので、あくまでこれは銃の安定した保持のための機構である。FGの手首は回転したり内側に曲がったりなどの人間的な動きはまったく行なわれない(概念的にはボールジョイント風)。
 肘関節は照準時の応答性を高めるために2重関節を採用するところもあるが、その分重量増につながる。




 腰部は姿勢安定の要であるが、FGの構造上一番無理のかかる部分でもある。
 またダメージを受け、破損した場合には4m以上の高さからコクピットが地面に叩きつけられることになりかねない。そのため関節周りに衝撃吸収外装の装着が義務づけられている。負荷テストも厳重に行なわれる。



● 走行システム


 FGマシンで「ギア」という場合は、走行モードのチェンジ、または走行方向の切り替えのことを指す。FGマシンは後ろ向きに走行できる。またブレーキは左右のホイールで独立式となっており、信地旋回もできる。だがギアは左右のホイールで前・後のいずれかにしかセットできない(超信地旋回は不可能)。
 信地旋回時は、動的制御をし続けている状態のためPCSの反応が薄くなる瞬間でもある。そのためバランスを取るのが非常に難しく、高度なテクニックとされている。またうっかりブレーキをかけた方のホイールをロックさせると、タイヤにフラットスポットが出来るので敬遠されている。フラットスポットは摩擦によりタイヤの表面に平坦な部分ができたもので、走行時の異常振動の原因になる。



● ジェネレータ


 特殊な干渉磁場を生み出すことにより、特定の部位のフィールドモーターやシリンダにエネルギーを送り込み、作動させることが可能。コクピット内の人体への電磁波等による影響はないとされている。

 このようなフィールドモーター方式を採用する利点は大きく2つある。

 フィールドモーターはステップモーター並に構造が簡単で(モーター自体の大きさや重量を自由に設計できる利点がある)、緻密な制御が可能であり、しかも大トルクを得られるという点。ただし、その分電力のロスも大きく(変換効率の問題。電気エネルギーの100%を駆動部に伝達することは、物理的に不可能)、一般に出力を重視するとエネルギー消費は激しくなる(車で言えば燃費に相当する)。

 2つ目は、配線が省略できる点である。単純にマシン重量の削減に大きく貢献するばかりでなく、断線による故障確率の排除、メンテナンスの労力の軽減等、得られる効果は大きい。

 ジェネレータが持つ熱をうまく排出できないと、フィールドの出力効率が悪くなる。FGでは上半身の重量増を嫌うために空冷式となっている。そのため、FGマシンはある程度高速で運動し続けないとエネルギーがそれだけ早く尽きてしまうことになる。



● コクピット


 コクピット内壁には衝撃吸収用のクッション・ブロックが張り巡らされている。モニタは前面1基。高輝度液晶で、クラッシュ時には壊れることで衝撃を吸収できるような部品(このような部品をクラッシャブル・ストラクチャーと言う)となっている。

 コクピットへのアクセスは頭部を支える基部を開くことで行なわれる。マシンの頭を前に倒すように開き、ドライバーは首から乗り込む。



● ドライバー


 FGの乗り手のことを通常は“ドライバー”と呼ぶが、パイロットでも間違いではない(ちなみに戦闘機などでもF15乗りのことを“イーグル・ドライバー”と言ったりする。これに関しては完全に筆者の趣味。“パイロット”という単語がありきたりであまり好きではない)。

 ドライバーの体重は、基本的に軽ければ軽いほど有利とされる。女性の場合は体格も小柄であることが多いため、コクピット容量を小さくでき、マシンの設計に幅ができる。
 上位のチームは、大きくて重い男性を乗せてもなお、高い戦闘力を持つマシンを生み出すことができるが、中堅以下のチームでは、女性を乗せることで少しでも無理なくアドバンテージを得ようとする傾向がある。
 (いったん女性を乗せることを前提にマシンを作ってしまうと、なかなかその呪縛から抜けられなくなる、という側面もあるが)

 重量に関しては理論上、女性の方が絶対的に有利なはずだが、これまでのところ上位4チームが女性を正規ドライバーに採用した例はなく、少なくとも観客から見ればその有利不利は確かなものではない。

 近年でいうと、マシンの荷重移動に関しては、物理的な構成要素をいかに効率的に制御するか、というPCSのプログラムの優劣がすべてを決するといっても過言ではない。そのため、チームが男性・女性ドライバーの選択を決定する要素は、スポンサーの意向であったり、ギャラの多寡であったり、その他の制約であったり、他の理由に因ることが多いようである。




 一切の余分な電力を搭載しないFGにはエアコンはない。真夏のグランプリでは、開催地によってはドライバーは容赦ない高気温にさらされる。FGスーツやそのインナーは素材を工夫された高機能のものだが、それでも軽く60度以上にまで上がる密閉されたコクピット内の温度で、脱水症状や熱中症に苦しむドライバーもいる(ここでもわずかながら女性の方が有利であるという説もある)。



● FGの世界


ロボットとギア

 ロボットは「自律」を前提とするものだが、ギアは操縦者の手足或るいは身体そのものとなって動作するもので、少なくともその制御に関する概念はかなりの部分で異なる。操縦者の意思を反映した動きをさせる場合には、自律型ロボットととはまた違ったテクノロジーが必要なのだ。

 さらにギアはロボットには必要ない「操縦系」や「居住性」の他に、「余分な重量(=人間)」を抱えるものである。末端の駆動系、電装系やコアとなるフィールド・ジェネレータの技術こそ共通だが、ロボットとギアは自律他律という相反する性質のゆえに分化し、それぞれ取り込む技術を異にしながら発展していったのだった。

 このふたつが分化して進化し始めたためにいわば自然的に生まれたのが、20世紀から21世紀の初めの頃に盛んだったロボットコンテストに端を発した、ギアによる高度操縦技術競技であった。

 好事家が集まり、玩具のようなものを戦わせるだけのものであれば前世紀にもあったが、人間が搭乗して操作し、その優劣を競う──走ったり体操をしたり──コンテストが本格的に始まったのはようやく2020年代に入ってからのことである。

 大学機関や企業が毎年お祭りのようにしてコンテストに参加するようになって10年が過ぎ、ドイツのある企業がついにアームド・ギアの販売を開始した。




FGグランプリの発祥

 金持ちのオーナーたちが集まり、私有地でカスタマイズしたギアを自慢しあったパーティから、FG1グランプリは始まったといっていい。オーナーたちは自ら、または雇った専用のドライバーに操縦技術を磨かせ、そして純粋なスポーツとして競い合ったのだった。

 やがて日本やアメリカのメーカーも業界に参入、ギアオーナーたちは2〜3年のうちに各機種間の格差を埋めるためにいくつかのルールを制定する必要があることを痛感する。そして翌年、第1回のFG1グランプリ開催の運びとなったのである。(当初は重量規制、瞬間最大出力へのリミッタ付加、競技時限の制定くらいであった)

 参加台数は3社8台。ヨーロッパの近接する5カ国でのみの開催である(参加した8人のオーナーのそれぞれの母国である。フランス、ドイツ、イギリス、オランダ、イタリア)。




FGグランプリの発展


 最初の10年ほどはメーカー製ギアの改造品を競技に使用していたが、後には全チームが独自に設計したギアでグランプリを戦うのが普通になった。金さえかければ一般でも市販品以上の性能を持つギアを作れる技術的土壌が確立してきたのだ。

 直接の対決は、勝った場合の効果は絶大だが、負けた際のイメージダウンも計り知れない。メーカー自身が直接参入することはリスクの面から憚られていたが、最近ではシェアの奪い合いや、メーカーそのものの生き残りを賭けてチームを買い取るなどして勝ちを狙うメーカーも増えている。







[Top][フォーミュラギア][FGメカニクス](ページ先頭へ)
↑FGコンテンツに戻る