なぎさは戸惑ったが、ほのかの自分に向けられた気持ちは、決してイヤじゃなかった。
「……さっきはみんなに、好きな人はいないって言ってたけど」
「こんなこと、みんなに言えるわけないじゃない」
ほのかはつらそうだった。
この告白をするのに、ほのかはいまどれだけ苦しい思いをしているのか。でも、どうしたらいいかわからなかった。
「ほのか……あたしも、ほのかのこと、好きだよ」
精一杯、相手のことを思いやって、なぎさは言葉を継いだ。
「ほのかの〈好き〉とはちがうかもしれないけど……」
「それでも、いいよ」
ほのかはなぎさの手を引いた。